第15回:健康で正しい歩き方とは
例えば椅子に脚が2本しかないと、ほっておけばすぐに倒れてしまいます。
椅子は最低でも3本脚でなければ、安定して立っていることはできません。では人間はどうやって2本の脚で立つことが出来るのでしょう?
脚と足の重要性
その答えは「脚」の下に「足」がついていることにあります。私たちの足は、進化して大きくなった踵と前足部を縦アーチと足底筋で繋ぎ、強力なアキレス腱で支えて立つことができています。
この常時・直立・二足歩行は人類の最も大きな特徴の一つです。ずっと昔、何億年も前に我々の祖先が海から陸に上がったとき、はじめはもちろん4本脚でした。今でも哺乳類の最速チーターですら4本脚を続けています。そんな中、人類は約300万年前に2本の脚で立ち上がり、二足歩行を始めました。その結果として前脚は手になり、火や道具を使い、万物の霊長と言われるまで進化したわけです。
「朝には四つ足、昼には二本足、夜には三つ足で歩く」生き物って?
そんな「歩行」も、有名なスフィンクスの謎かけのように、人間は年代によって歩き方が変わります。
ハイハイする新生児では、脚の長さは身長の3分の1しかなく、腕の長さとあまり変わらないんです。
それが成長に従って脚の長さの占める割合は増え、成人では2分の1に達し、腕の長さよりも長くなります。足のかたちも新生児ではO脚ですが、6歳頃にはX脚となり、成人では真っ直ぐとなって、老人になると変形性膝関節症のためO脚になり、杖を突き3本脚で歩きます。
年代に伴う歩き方の特長を生かす靴選び
この様に、一口に歩行と言っても、安定性はよいが非効率な幼児のよちよち歩きから年寄りのとぼとぼ歩き、速くて運動にはなるがやはり効率の落ちるすたすた歩きまで、左右対称でスムーズな普通の効率よい歩き方を中心にいろいろな歩き方があります。それに合わせて、いろいろな靴が用意されているので、自分の目的と特徴に合わせた靴を選んで直立二足歩行を楽しみましょう。