第13回:女性に多い脚の悩み「O脚」
近年では若い女性のファッションが昔に比べて露出度が上がったせいか、「脚の格好が悪い」と言う悩みをよく耳にするようになりました。なかでもO脚(がに股)は、特に嫌われているようです。がに股と言えば、柴又の寅さんのように、足を開いて膝を曲げ、腰を落とし「お控えなすって」のポーズがイメージしやすいですよね。
股関節をわざと外側に開いて歩けば、誰でも「がに股の寅さん」の真似ができます。
これと同じように、少々O脚だとしても膝や股関節をしゃきっと伸して歩けば、がに股にはなりません。
ハイヒールはO脚対策に効果あり?
実は綺麗な脚を作るのに有用なのが「ハイヒール」です。
もちろんハイヒールは外反母趾をはじめ、色々と注意しなければいけない点が多い靴ではありますが、ハイヒールで歩くときには膝も股関節も伸ばして歩きますよね。このハイヒール特有の歩きかたが美しい脚を作り、スマートに歩く格好の訓練になります。
赤ちゃんのO脚は普通のこと
他にも、「子供のO脚がひどくて、うまく歩けません」と言うお母さんの悩みもよく耳にします。
ですがご安心ください、歩行前の乳児はO脚が普通のことです。オムツをしている間は、股関節が外転しているので、荷重軸が膝よりも内側に寄ってしまい、がに股でうまく歩けないかもしれません。ですが歩けるようになるにつれてO脚は弱まり、4歳頃には荷重軸もほぼ膝の中央を通り真っ直ぐな膝となります。
昔は、O脚と言えば「クル病」でしたので、お母さんも心配です。でも、「絶対母乳だけ!」とか「絶対紫外線ダメ!」など、絶対○○主義の偏った育児をしなければ、絶対(?)大丈夫です。
大人のO脚矯正は大変!
ですが、中年以降もO脚が進むようだと注意が必要です。と言うのも、O脚やX脚は変形性膝関節症という病気の原因ともいわれています。この病気は単に格好が悪いだけでは済まず、最後には歩けなくなるほどの痛みで、人工関節や車椅子のお世話になるケースも少なくありません。
いざ悪化してから医者だ、薬だと騒ぎ立てても手遅れになっている事がほとんどですので、日ごろから気を付けていきましょう。
O脚が悪化しないために
歳をとってのO脚が大変ならば、若い内にO脚を真っ直ぐに治していきたいですよね。
けれど、巷でO脚の治療法と言われているような、サポーターやテーピング、ストレッチなどはかけたコストに見合うだけの効き目はあまり期待できません。自信を持って勧められる変形性膝関節症の治療は、体重を掛けない大腿四頭筋の訓練と、外側楔状足底板くらいです。歳をとってから骨が潰れないように、若い頃から運動と食事に気をつけるようにしましょう。
少々O脚であろうとX脚であろうと、膝と腰をしっかり伸ばして真っ直ぐ歩けば、自然と美しく歩けます。子供の時にはよく遊び、大人になったら運動で骨と筋肉を貯蓄(骨々貯筋・コツコツ貯金)して、歳をとったら歩行でバランス良く骨と筋肉を維持しましょう。良い靴は歩き方を整え、きっと貴方を美しくしてくれます。