第六回:開張足、ハイアーチって?
「開帳足」「ハイアーチ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
前回のコラムでご紹介した偏平足と違って、あまり聞きなれない言葉ですよね。
偏平足は昔から有名でしたが、開帳足、ハイアーチは最近少しずつ耳にするようになってきました。
開張足は怖い病気?
いいえ、医学的には心配はありません。開張足とは、中足骨と呼ばれる部分が、足の両端に向かって開く変形のこと。おしゃれな靴が履きにくいので嫌われがちですが、医学的には問題はないんです。
ですが、中・高年になって新たに起こった開張足は、老化や他の疾患の徴候かも。適切な診断、治療が大切です。
偏平足の逆?ハイアーチ
ハイアーチ(凹足)は、一般的には「甲高」と呼ばれていて、縦アーチの病的に高い状態のことです。と言ってもこちらも病気とは言えないものがほとんどで、靴が探しにくいといった程度です。
ただ、ハイアーチは踵や前足部に荷重が集中しやすく、柔性が不足しがち。結果的に踵や足の甲の部分が痛くなりやすいので、注意が必要です。
足の「アーチ」って結局どういうもの?
足は踵、親ゆび、小ゆびの上に立つ「三角テント」の構造をしています。このテントの縦アーチの異常が扁平足とハイアーチ、横アーチの異常が開張足というわけですね。
アーチは、クッション性や踏み返し、剛性に役立つとされ、とても大事です。これを靴の面から見ると、縦アーチは「アーチサポート」、横アーチは「中足骨パッド」が対応してます。
アーチサポートを履けば安心!?靴の選び方
最近は、市販の靴にもアーチサポートや中足骨パッドを組み込んだ物が見受けられます。ですが、これらは本来、矯正を目的とした物で、いわば「薬」と同じもの。
診断を間違えたり、部位や形状、高さ、硬さを誤ったりすれば、副作用のリスクも。「良薬、口に苦し」は、靴選びには当てはまりません。
市販の靴を使う場合には、矯正と言うよりは、老化による変形の進行の抑制という程度に効果を抑えた物がおすすめです。これは、医師の処方する治療薬と市中で買えるサプリメントの関係に近いかもしれません。
特に効果の強いアーチサポートや中足骨パッドを使う場合には、要注意。効果があるほど副作用はありますから、専門家が指導し、徐々に効果を高めていくという手法で安全性が確認された、歴史のある靴を選ぶのがよいでしょう。