第11回:あなたは読める?「肉刺」「胼胝」「鶏眼」その1
「鶏眼」「肉刺」「胼胝」とは何を指す言葉だと思いますか?
いかにも珍味?食べ物?かと思ってしまいますよね。けれど実はこれ、皆さん一度は耳にしたことがある足の障害のことなんです。
鶏眼(うおのめ)
肉刺(マメ)
胼胝(タコ)
こう書くと、蛸や魚、豆と同じで親しみやすいかもしれません。
今回のコラムではタコやうおのめなど「足の皮膚」に出来る代表的な障害をご紹介します。
胼胝(タコ)とは?
足の外来で「足の裏にタコができて痛いのでとって下さい」とよく頼まれます。
そして「タコを取っても痛い」「タコを取ってもらったのに、またすぐに出来た」という不満もよく耳にします。でも、これ実はよくある誤解でタコが痛みの原因ではないんです。
足にタコが出来ると、その部位に痛みがあるのでどうしても「タコ=痛いもの」だと思いがちですよね。タコ自体は皮膚に強い力が加わることで出来る皮膚の障害なのですが、「痛み」もタコと同じように皮膚に強い力が加わることが直接の原因なんです。
この原因である「強い力」を取り除かなければ、タコをとってもすぐに再発してしまい、痛みもなくなりません。タコが出来てしまったら、歩き方の改善や、靴のサイズなどを見直してみるとよいかもしれません。
鶏眼(うおのめ)とは?
「うおのめ」はタコと同様に、足への強い圧力によって出来る障害です。
どちらも同じ「皮膚の角質」が増殖したもので、実は「タコ」と「うおのめ」を顕微鏡で覗いても区別が付きません。ですが「うおのめ」はタコと違って「痛み」の原因になってしまうので要注意です。
もちろんタコと同じように「痛み」の直接の原因は足への圧力なのですが、うおのめはそういった足への圧力を何倍にも増幅してしまう特徴を持っています。どうしてそのような事がおこるのでしょうか?「うおのめ」と「タコ」の分かりやすい違いは、足の皮膚から「外側」に向かって広がっているか、「内側」に向かって広がっていくかの違いです。
うおのめは外側に向かって広がっていくタコと違って、硬い角質の尖った先端が皮膚の内側に向けて食い込んでいきます。硬い角質は柔らかい皮膚と違って、圧力を軽減するためのクッション性に乏しいので、力をまともに伝えてします。すると足の底面で受けた力が何倍にも増幅されてしまい、普通は痛まないような弱い圧力でも、強い痛みを起こしてしまうのです。
肉刺(タコ)と鶏眼(うおのめ)を防止するには
「タコ」も「うおのめ」も根本的な原因である足への強い圧力を取り除いてあげる必要があります。特に「うおのめ」は一度できてしまうと、日常の弱い圧力でも増殖してしまいますので、まずは皮膚科で取ってもらい、その後、圧力の軽減に努めることが大事です。
足に合った靴を目的に合わせて履き分けて、足の皮膚の障害とは無縁の生活を送りたいですよね。
次回のコラムでは、今回ご紹介しきれなかった「肉刺(マメ)」の他にも代表的な足の障害ついてご紹介します。