第三回:「歩く」と「走る」と「足」の関係
椅子は、4本脚なら倒れませんが、2本脚だと直ぐ倒れてしまいますよね。
では、人間はどうして2本足で歩けるのでしょう?
人間の「足」と「歩くこと」の関わり
人間の足をよく見てみると、前足部は動物の前脚に、後足部は後脚に、そしてこれらを繋ぐ縦アーチが背骨に相当し、左右2つの足を合わせると、まるで4足動物のようになっています。
そうした2本の足を使って「歩く」という動作は3つの動きで成り立っています。
1.踵から床につき、次に前足部も床について足全体が接地します。
2.踵が床から離れ、ゆびの付け根の関節が背屈して、踏み返しに入ります。
3.最後には親ゆびが床から離れます。
「歩く」と「走る」はどう違う?
競歩では両足が同時に地面から離れると失格になるように、「歩く」と「走る」の一番の違いは、両足とも地面から離れることです。
「走る」という動作は、重心の前方移動に合わせて足を前に出すと言うよりは、積極的に足を前に出し、足で地面を蹴って推進力を得る動作と言えます。エネルギー消費はともかく、同時に両足が地面から離れる「走る」動きの方が、速度に優れている理由はこのためです。
目的にあった靴選び。健康で正しく、足を使うために
この様に、「体重を移動させて、エネルギーを有効に使う歩行」と、「大地を蹴って空を跳ぶ走行」はどちらも2足による移動なのですが、全く足の使い方が違います。
同じ「歩く」の中でも、ゆっくりした散歩、目的地を目指す歩行、運動のためのウォーキングでは、足の使い方が異なります。足と地面をつなげる「靴」をそれぞれの目的に合わせて履き分けることが、健康にはとても大事な要素なんです。