靴は足と大地のインターフェイス
快適に歩くためには靴選びがとても大切です。
靴をTPOで履き分ける工夫をして下さい。
簡単に言って、足の大きさ、形を表すのには、最低でも長さ、幅、高さ、土踏まずの位置が必要ですが、現在では長さと周径が表示されているだけです。それに、色、材質、デザイン、ヒールの高さが加わる訳ですから、靴のサイズを言って合った靴が見つかる可能性は宝くじよりも低くなります。その上、女性は自分のサイズより幅が狭くて小さい靴がお好みのようです。
靴が合わないと足は痛みます。踵、母趾や小趾の脇、趾の先端や背側に靴擦れができ、爪の下に出血して爪が剥がれたりします。これが続くと硬くなり、胼胝や魚の目ができ、爪が変形します。ハイヒールに特有な踵のアキレス腱にできる大きな胼胝をバンプ・パンプと呼んでいます。母趾の付け根の関節の内側に滑液嚢炎と言う痛い出っ張りができ、外反母趾の始まりになります。反対に、小趾の脇にできると内反小趾が始まります。趾の2番目の関節が背側に屈曲して槌趾(ハンマー・トー)になり、関節の背側と趾尖に胼胝ができ趾が伸びなくなります。このまま無理な靴を履き続けると、変形が進行して手術が必要になります。土踏まずと靴のアーチサポートの位置や高さが合わないと、疲れやすかったり、痛くなったりします。適切なアーチサポートで扁平足の症状が緩和しますが、靴で扁平足になる事は滅多にありません。
靴の障害を予防するのは良くあった靴を履くことに尽きますが、難しく王道はありません。とにかく、時間をかけて多くの靴を試し、よい靴に出会ったら通常に履く靴は、そのメーカーの、そのデザインのそのサイズに決めることです。「おしゃれ」の為の靴は、TPOでその場まで持っていって履き換えましょう。あなたの足をかわいがってあげて下さい。
「長さ」 足の指を十分に伸ばした状態で、靴とかかととの間に、小指が入るくらいの余裕があるもの。ハイヒールなどの傾斜のある靴は、足の指で底をつかむような形ではいているので、小さい靴をはいているのと同じ状態です。ヒールの高さは5cmまでに。
「幅」 靴の中で、足の指を開いたり、閉じたりできる幅が必要です。せますぎる靴は、外反母趾などの原因に。足の裏の人さし指のつけ根部分に、縦に長いタコがある人は、幅のせますぎる靴をはいてきたせい。ひものある靴なら、幅の調節ができてベストです。
「高さ」 靴を踏み返したときに、足の甲に痛みがなく、脱げないものがベスト。高さが合っていないと、甲が締めつけられてあざができたり、親指のつけ根がしびれることもあります。
「土踏まず」あなたの土踏まずの位置に、靴底の高まりが合う靴を選びましょう。
実際にはいて、時間をかけてはき心地を確かめてから選ぶこと。少なくとも3分くらいは、店内をぐるぐる歩いてみましょう。また、足の形は立っているとき、歩いているとき、座っているときではまったく変わるので、座って試すだけでなく、たって歩いてみることが大切。
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