糖尿病の人の足の手入れ
毎年、数千人もの糖尿病患者が足の切断を余儀なくされています。その原因には糖尿病患者に起こりやすい潰瘍、感染、壊疽があります。それには大きな２つの原因があります。
- 神経障害（ニューロパティー）：ケガをしないように足をいつも守っている知覚が無くなります。その上、神経が傷つくと、足指が変形したり、土踏まずが無くなったり、皮膚が乾燥したりします。これらの障害は足に潰瘍や感染を起こすかもしれません。そうなれば急速に進行して壊疽（組織の壊死）や切断になるかもしれません。しかし足をよく手入れすれば、潰瘍や感染を防止できます。
- 血行不全（阻血）：これはより治療が困難です。血のめぐりが悪ければ、壊疽や切断を免れません。しかし足をよく手入れすれば、足の切断時期を遅らせられます。
あなたの足を守るために、次のことを実行しましょう
- 毎日、足を観察しましょう
- 目と手を使い、家族に助けてもらいましょう。
- 足指の間もチェックしましょう。
- 鏡を使って、足の裏も見ましょう。
- 以下のような危険なしるし
- 腫れ（特に、新しいもの、次第に大きくなるもの、足全体に及ぶもの）
- 皮膚が赤い（圧迫によるただれや感染のしるし）
- 水ぶくれ（擦過や圧迫によるただれのしるし）
- 切り傷、擦り傷、出血（感染の可能性）
- 爪の障害（皮膚に当たり、潰瘍をつくり、感染を起こす）
- じくじく湿って液がしみ出る（足指の間）
このような危険なしるしを見つけたら、すぐにかかりつけの医師に連絡しましょう。
- 毎日、靴をチェックしましょう
- 手を使って靴の中に次のような物がないかチェックしましょう
- 凸凹（ざらざらの面や縫い目）
- 異物（石や鋲）
- 毎日、足を洗い、足の手入れをしましょう
- 毎日、足を洗いましょう。
- 熱過ぎ、冷た過ぎの水でなく、ぬるま湯を使いましょう。
- 足を洗った後、（特に足指間まで）よく乾かしましょう。
- 皮膚が乾燥したら、少量のクリームを塗りましょう。
- 子羊のウール（木綿ではなくて）を挟んで、足指の間を乾燥させましょう。
- 靴と靴下を足に合わせる
- 靴と靴下がきつ過ぎないことを確認しましょう。
- 靴先は「息ができる」柔らかな素材の甲革で作られ、余裕がなければいけません。
- 新しい靴を履き５分から１０分したら、靴を脱いで皮膚が圧迫されて赤くなっていないかチェックしましょう。もし皮膚が赤くなっていれば、その靴を履いてはいけません。もし、赤くなっていなくても、初めての靴を履いた日は３０分毎にチェックしましょう。
- 何足かの靴を順繰りに履きましょう。
- 多くの保険制度で給付の対象になる、糖尿病用の治療靴（処方される靴）について、医師に尋ねて下さい。
- 認定された装具士や足治療士には、糖尿病に適切な履物を作ったり、足に合わせたりする資格があります。
- 靴屋の店員に、あなたが糖尿病であることを伝えて下さい。
- 医療
- 医師に受診するたびに、足と靴を診てくれるように頼みましょう。
- 前述したような危険な徴候があれば、医師にかかりましょう。
- こんな危険な事をしてはいけません
- はだしで歩いてはいけません
- 尖った物や荒れた地面は、切り傷、擦り傷などケガの原因になります。
- 熱を足にかけてはいけません
- 特に知覚が異常の場合、熱はひどいヤケドの原因になります。
- 熱いお湯で足を洗ってはいけません。
- 足温器を使ってはいけません。
- 胼胝（たこ）を削るのに化学薬品や鋭利な刃物を使ってはいけません
- 切り傷、擦り傷をつくり、感染を起こす原因になります。
- 爪の角を切ってはいけません
- 爪は真っ直ぐに切りましょう。
- 煙草を吸ってはいけません
- 喫煙は足が酸素を吸収するのを妨げます。
- 予防は治療に勝る事を忘れてはいけません
- 傷を治すには、健康な足を維持する２０倍のエネルギーを必要とします。
