FUN+WALK STYLEの女性はスーツにパンプスです。「クッション性のあるパンプスなら、見た目はフォーマルでも歩きやすさが全然ちがう」が、うたい文句です。でも、クッション性のあるパンプスって、何処で買えるのでしょう。 パンプスの語源には諸説紛々がありますが、ニューヨークの消防士が緊急出動の時、素早く履けて、紐を結ばずに済む履き口が大きく開いた靴を履いたのが始まりです。いなせな火消しの若者ポンプマンにあこがれた、若い女性達がこれをまねたので、広く女性に広まりました。このポンプマン・シューズがなまって、パンプスになったと言う説が気に入っています
パンプスはフォーマルなどころかファッションの最先端を行っていた訳ですが、現在では履き口が趾の付け根の近くまで大きく開いた靴を指しています。この大きく開いた履き口のお陰で、足の甲と下腿が一体化して、脚が長くスマートに見えるのです。ですから、最近は違ってきましたが、足は足、下腿は下腿と区切られて見えてしまう、ストラップや飾りは付けず、靴下も履かないのが原則でした。従って、つま先と踵の覆いだけで靴が脱げないようにするためには、靴底を硬くして剛性を上げ、踏み返しで履き口がゆがんで広がる事がないようにしなければなりません。一方で、靴底が硬くなり踏み返しで曲がらなくすると、踵がすっぽ抜けてしまいます。
一口にクッション性のあるパンプスと言いますが、足を細くすっきりスマートに見せるのが命のパンプスの底に、剛性とクッション性を併せ持たせるのは至難の業です。クッション性には柔らかい素材が必要ですが、靴底に剛性を持たせようとすれば、厚底靴のような厚みが必要になり、足を細くスマートに見せる役割からはかけ離れてしまいます。表底やシャンクで剛性を稼ぎ、中底や中物を厚くして、外観のスマートさを保ったままクッション性を得ようと努力したこともありますが、釣り込みで表底が湾曲してしまい、上手く行きませんでした。 現時点で手に入るクッション性があり、足を細くスマートに見せてくれるパンプスは無いとまで言っても過言ではありません。その上、多くの女性が、一歩一歩歩くごとに、履き口が笑い、踵がすぽすぽ抜けてしまう様なパンプスを、平気で履いているのですから、若い間はおしゃれを優先し、足の痛いのは我慢してしまうのが簡単かもしれません。 ファッションや美しさの基準が変わる駆、魔術師のようなデザイナーが現れるのを持つしかありません。